oginomad = 荻野窓

カレー(スープカレー優先)を中心に荻野窓

oginomad = 荻野窓

2007年oginomadベストディスク10

2007年に新譜として出されたアルバム(つまり再発、聞き込み除く)を対象に個人的に心に残ったものを順不同、思いだされた順に10枚。


Ulrich Schnauss / Goodbye
過去の8/5の荻野窓で触れています。


Roger Nichols & the Small Circle of Friends / Full Circle
奇跡としか言いようのない音。約40年前のファーストはもちろん大好きなアルバムだが、セカンドがなんと届けられた。恐る恐る聴いてみると、これがあの音、あのメロディなのだ。時空を超越して届けられた手紙のような感動。


Wouter Hamel
若者によるジャジーな最新型ポップ。数年前からいつか来ると思っていたが、まさにそれを体現するアーティストが現れた。


Lucky Soul / The Great Unwanted
60年代のちょっぴり切ないウキウキポップを今、すごい完成度で甦らせたグループが誕生。存在としては90年のTransvision Vamp(こちらはSF寄りのアプローチだったが)に近いような気がする。Transvision Vampに例えると、ファーストが内容最高、セカンドで内容△も大ヒット、サード内容?で解散(このようなグループは多い)なので、失速しないで欲しい!


Robert Wyatt / Comicopera
この人は、ポップ・アーティストと言っていいと思う。そして彼の作品は、もはやポップ・アートだと思う。ずっと新作が出るたびに買って聴いているけど、この新作は、一番胸にストレートに入ってきた。


Adriana Evans / El Camino
レコード屋の売り場ではブラック/ソウルに入るのだろうけど、全然違う音楽。今の音楽の主流になってしまったラップなどのブラックミュージックが、自慢とか恐喝みたいな粋がり、下品さばかり目立つのに対して、こちらは中身で勝負していて素晴らしい。まさにフリーソウルを体現する音楽。


O.S.T. / Music and Lyrics
忘れられかけている80年代のアイドルスターが、今の時代に、ソングライターとして復活するという映画のサントラ。Fountain of Wayneのアダムが核になる曲を作曲している。いい曲を生み出すという映画の、いい曲を書くのは簡単ではなかっただろう。その他、劇中で80年代の曲として登場する曲も無茶苦茶ツボを押さえていて楽しめる。


V.A. / Jazz and '80s PART TWO
日本では、ヒット曲のボッサカバーが流行り、また海外でもパンクとかニューウェーブの名曲のボッサカバーが流行った。その他、名曲のレゲエカバーやクラブカバーも出回っている。当然、名曲はメロディがいいから、何をしてもいいのだ。特にボサノヴァは形が曖昧ながら妙に適用力が高いのでなんでもボッサ。今アメリカとかでヒットしているラップとかの曲が、こうして使い回されて新たな生命を持つことは考えにくい。そういう意味では俺が大好きな80年代の名曲が立派にジャズスタンダードのように響いているのが嬉しかった。選曲も一枚目より断然良い。


Moebius & Neumeier / Zero Set II
セカンドまでかかった時間は20年余りだからロジャニコほどじゃないが、こちらも伝説的な続編。こちらは変わらないという感動より、なんだか歳を取っているはずなのに凶暴性が増していたり、もう狂っているとしか言えないサウンドだったり、後先考えず深化しているのに感動。


Kylie Minogue / X
ポップの最前線にいながら、ポップの領域を進めようという強い意欲が感じられた一枚。質の高い曲になぜか、ラジカルで極端な音。今までは聴いても何も感じなかったけど、一転このアルバムは素晴らしい。

その他、Prince、Steve Jansen、BMX Bandits、Fountain of Wayne、Jean-Michael、Cinematic Orchestraの新作も良かったと思います。
Gwen Stefaniの新作は酷評されているけど、"Wind It Up"は最高だと思います。Amy Winehouseの"Rehab"もインパクト満点で心に残りました。