oginomad = 荻野窓

カレー(スープカレー優先)を中心に荻野窓

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PREFAB SPROUTの新譜が出た!


PREFAB SPROUT / Let's Change The World With Music ('09)

最近めっきりと古い音楽ばっかり聴いているし、どんな新譜にも冷めているのだが、新譜が出ると、聴くまで待ちきれないと思ってしまうアーティストが、プリファブ・スプラウトだ。それどころか、国内盤が出る1ヶ月を待てずに、まず輸入盤を買ってしまうくらいだ。実に8年ぶりのアルバムがついに出た。なぜそんなに好きなのか分からないが、この人たち(この人=パディ・マクアルーン)はどこかが決定的に他とは違う。このアルバムでは、ついにパディ・マクアルーンのソロ・プロジェクトのようになってしまった。

聴けば聴くほど、まだまだ聴きたいと思ってしまう素晴らしさなのだが、最初の印象は中盤から後半の曲がとんでもないという印象。こういう素晴らしい音楽が音楽シーンの主流になるようなことがあれば、まさに「音楽で世界は変わる」と思う。
以下全曲コメント。

1. Let There Be Music
いきなりラップから入り、まさかのエレクトロ調、ビックリしてしまった。でも、しばらくすると、パディ・マクアルーンでしかないメロディと、あの優しい声。果てしない空間が広がる。

2. Ride
アップテンポの曲だが、意図的な単調さが何かを狙っている。ある意味新しいダンス・ミュージックか。

3. I Love Music
ジャジーなスウィング・チューン。アルバムタイトルといい、ストレートなメッセージだけど、歌詞は相変わらずヒネリが効いてる。

4. God Watch Over You
この曲は、90年代にフランシス・ラッフェルという女性ヴォーカリストに提供されたのを聴いていたので元々知っていた。ドラマティックな曲だが、感情控えめ、爆発抑えめなアレンジ。

5. Music Is A Princess
前の曲とは一転してとんでもない畳み掛け方をしてくるこみあげ曲。現在"No.1 Across The Earth"

6. Earth : The Story So Far
こんな曲はパディ・マクアルーンしか書けないし、今まで歴史上書かれたこともない。「まだまだソングライティングは探求されていない可能性がある」というパディ、有言実行。サティのエレクトロな解釈風のイントロから不思議な世界に誘われる。

7. Last Of The Great Romantics
いわゆるバラードなのが珍しい。プリファブ・スプラウトがやるとこんな感じ。これも提供曲で聴いたことがあったはず。

8. Falling In Love
そして、またこみあげまくる。誰も押さない感情のツボを意図的に見事に押さえてくるのだ。しかも、それを分かってて、これでもかと言うくらいグイグイ押してくる。

9. Sweet Gospel Music
タイトルはゴスペルミュージック、なんて言ってるけど、プリファブ・スプラウト・ミュージック以外の何ものでもない。続けざまに畳み掛けこみあげる。

10. Meet The New Mozart
また、モーツァルトなんて言っちゃって、プリファブ・スプラウト・ミュージックでしょう。前ベートーヴェンのオマージュをしてたモーマスになぜか近い音。味わい深い、スルメ曲。

11. Angel Of Love
深淵だけどシンプルにまとめられている曲。そう言えばSteve McQueenの最後も"When The Angels"だった。