確かに、吹けば飛ぶような存在であることはちょっと気持ちいい
鳥肌実は、吹けば飛ぶような存在の代弁者になりたいのではないか。
鳥肌実のDVD「玉と砕けよ!」を観た。
軍国主義日本の集会に飛び入りして、戸惑いを無理矢理隠して、思いっ切り体のダンスで追随し、最後には全力で万歳!しているその姿がデフォルメしているのは、徹底して運命に翻弄される存在ではないか。街頭で演説する鳥肌実との突然の出会い自体、群集も運命に翻弄されているということなのか、無視したり、苦笑い混じりで通り過ぎたり、笑い転げたり、喝采を送ったりする(ごく稀に)。
映画「タクシードライバー」の、突然何気なく政治集会に参加して、何かにつき動かされるように問題行動を起こそうとしたデ・ニーロをスクリーンを通じて観たときの、あの気恥ずかしい共感を、鳥肌実からも感じるのだ。