oginomad = 荻野窓

カレー(スープカレー優先)を中心に荻野窓

oginomad = 荻野窓

KLAUS SCHULZE / X ('78)

KLAUS SCHULZE / X ('78)
クラウス・シュルツェの10枚目のアルバム。昔は絶対に聴かなかった、メリハリのない抽象的な音楽だが、抽象性が極まった2枚組の大作。この人、とにかく多作&大作で、1曲平均20分〜30分の上に、レコードなら60分ギリギリまで収録していたのが、CDでの再発でまた律儀に20分程度の当時の未発表曲をボーナスで付けて1枚当たり80分ギリギリにしている。しかも、数年前に出た未発表曲集は、なんとCD50枚組で度肝を抜かれる。確かにどれを聴いても、いくらでも作れそうな、同じような繰り返しとメリハリのない音楽なのだが、この気持ち良さを一回分かってしまうと病み付きになる。味わったことのない不思議な感覚になる、というか。それは電子音の気持ち良さを追求しているからだろう。この感度の鋭さはこの人ならではのものだ。このアルバムはオーケストラも入って来ていて、仰々しさが不気味でもあり、暑苦しい。でもだから良い、という自分でも訳の分からなくなる不思議な音楽だ。